2019年7月6日に福井県若狭図書学習センターで開催された松上げ講演会に行ってきた。
講師は、外務省を定年後、大学院に行き、文学博士の学位を取得し、柱松の研究をされた方で、全国の柱松を訪問され、和多田の松上げにも来ていただいた方である。
以前は、300程度の集落で柱松がやられていたらしいが、現在は1/3の97か所で行われいるということである。
最も多い地域としては、静岡県の富士川流域、福井県の若狭地域、京都の丹波地域、山口県の全域、大分県の全域で活発に行われているらしい。
松上げという名称は、若狭地域だけで、京都では上松と言われており、全国で柱松の名称は地域によって違うということ。
若狭地域の松上げは、柱は神の送迎で地蔵盆や盂蘭盆、二百十日に行われ、愛宕さんへの献灯である。全国ではこのような神事は若狭地域だけであるらしい。
若狭地域は、京都から伝わったようであり、京都から若狭への道は愛宕街道とも言われている。
疑問は、京都市の北山にある総本山の火伏せの神様愛宕神社では、この柱松が行われいないのが不思議のようだ。
若狭地域のように高い柱に松明を投げて火をつける方式がほとんどであるが、直接点火する方式や火を切り出して点火する方式、火をつけない方式も全国にもあるようだ。
また、松上げは、柱1本でやるのではなく、トロギという柱を付け足していく方法もあるらしく、火がなかなかつかない場合は、付け足した木を下していくようだ。この方法は、おおい町名田庄三重の尾の内集落で行われているらしい。
火は、祭りの目的を表現し、火がつかないことには信仰にならないということである。
いろいろ勉強になり、次は六斎念仏の学習をしなければ・・・
若狭地域の民俗芸能は、京都から伝わったことがほんとたくさんある。
投稿者:田村の子